自衛官になろうと考えた時に、多くの方が受験する採用区分が一般曹候補生や自衛官候補生の区分になるかと思います。
実際、この2つの採用区分は募集人数(採用予定者数)も多く、メインの入口として機能しています。
そこで、今回は海上自衛隊の一般曹候補生を受験し合格した私が出題の傾向や学習方法について詳しくお伝えしていきます。
この記事を読めば、自衛隊の一般曹候補生採用試験に向けての対策方法が分かるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
一般曹候補生とは
陸上・海上・航空自衛隊の曹となる自衛官を養成する制度です。一般曹候補生は、入隊後2年9月以降選考により3曹へ昇任します。自分の能力に合わせて、知識と技能を高めてゆくことが可能です。
一般曹候補生とは、18歳以上33歳未満の者を対象に、陸上、海上、航空各自衛隊の部隊勤務を通じて、その基幹隊員となる陸・海・空曹自衛官を養成する制度です。応募資格年齢を比較的広くとっているため、高校新卒者はもちろん、高専卒、大卒、社会人経験者まで多様な経歴を持った人材が一般曹候補生として入隊します。
https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/about/recruit/ippansokoho.html
自衛官を目指す多くの方が利用する採用区分かと思います。
「曹」というのは諸外国での下士官という部類にあたります。士官の下、兵の上に位置する階級です。
部隊の中核となる自衛官を育てる制度ということもあり、毎年の採用予定人数もかなり多く、各自衛隊で異なりますが、約1400名~約4200名とかなりの人数です。
慢性化している人員不足の影響から募集年齢制限も年を追うごとに緩くなっており、2024年現在では32歳未満まで入隊することが出来ます。
採用予定数が多いこともあり、場合によっては年に3回も募集があります。
以前受験した際に広報官の方から、第2回目以降は高卒者の採用枠をメインに設けているといった内容の説明を受けたので、既卒や大卒の方は第1回目で合格できるように努めた方が良さそうです。
採用されると、入隊と同時に2士と言う階級に任命され、新隊員として教育を受けてその後部隊で活躍します。
かつて、一般曹候補学生や曹候補士といった確実に3曹以上の階級に昇任できる制度がありましたが、この一般曹候補生についてはその保障はありません。
勤務成績が良くなかったりすると、候補生としての資格を失い、退職という形になります。
民間企業でも、正社員登用制度のある契約社員から正社員になるのが狭き門であるのと同様で、契約社員相当の士の階級から正社員相当の曹の階級に昇任するのは大変とのことです。
また、自衛官候補生と異なり、任期満了金の制度が無いため、士の階級で打ち止めとなっても退職金がそう多くはありません。
採用試験の対策方法
一般曹候補生の採用試験は以下の科目から成り立っています。
- 筆記試験(一般教養、作文)
- 口述(面接)試験
- 身体検査
試験は一次試験と二次試験で構成されており、一次試験では筆記試験が、二次試験では口述試験と身体検査が行われます。もちろんですが、一次試験に合格しないと二次試験は受験できません。
それでは実際にどのような対策が必要になるのか見ていきましょう。
筆記試験の対策方法
筆記試験は五肢択一の問題が出題される一般教養試験と、指定されたお題に対して文章で回答する作文試験があります。それぞれ試験時間は分かれていますが同日に実施されます。
一般教養
一般教養試験は高校卒業程度のレベルで、国語・数学・英語の3科目です。
資格試験でもよく利用されているマークシート方式となっています。
問題数は45問に対して試験時間は120分あり、しっかりと対策をしていれば難しい問題はほぼ無いので十分に足りると思います。
どの採用区分でも言えることですが、自衛官採用試験の筆記試験は時間が余ると思って良いでしょう。
まずは過去問何年分かを解いてみて、自分の苦手な分野を特定してみましょう。
不得意なものが分かったら、それに合わせて対策をしていきます。
一例として、計算問題が苦手であれば公式を覚えて問題演習、暗記系の科目が苦手であれば間違えた問題をノートなどに書きだして音読して記憶に刷り込んでみるなどやり方は各人でやりやすい方法をとると良いと思います。
より詳しい対策方法は以下の記事をご覧ください。
作文
一般曹候補生試験における作文試験は、1つのお題が出題されて、それに対しての回答を文章で書くというものです。
試験時間は30分、原稿用紙は672字でした。
一般教養試験と違って時間の余裕はあまりありません。お題を見てこんなことを書こうと考え、構成を考えて実際に文章を書ききるまでを30分でこなさなければなりません。
一般教養試験では学生の歳で受験する場合にはぶっつけ本番でもなんとかなる場合もあるかもしれませんが、作文はそうはいきそうにありません。ある程度事前に準備が必要そうです。
担当の広報官の方から過去問を貰うことが出来るかと思います。実際にお題を見てみると分かりますが、似たようなものが出題されていると分かると思います。
そこで、とりあえずは時間を気にせず過去問に取り組んでみましょう。自分なりに書いてみて広報官に添削してもらうとなお良しです。
添削なんか頼んでいいのかな…と思うかもしれませんが、
広報官は皆さんを自衛隊に導くのが仕事です。
喜んで対応してくれると思いますので遠慮せずに頼んでみましょう!
添削していただいた過去問がある程度たまったら、書いた内容を覚えておきましょう。
本番の試験でも似たようなお題が出てくるかと思いますので、覚えている内容から「この部分を使おう」とブロック工法のように文を組み合わせていくことで、時間短縮をしつつ質の高い作文を書くことが出来ます。
より詳しい対策方法は以下の記事をご覧ください。
口述(面接)試験の対策方法
面接のことを自衛官採用試験では口述試験と言います。これは他の採用区分と対策は変わりません。
予想される質問は過去問を広報官から教えてもらいましょう。
どんな質問があったかを教えてもらったら回答を予め書き出してみましょう。
だいたい回答が出来上がったら広報官に面接練習をお願いしましょう。入室から退室までの実際の流れも交えて練習できるので、自分の不足点などが明らかになり、本番での失敗を減らせます!
ここで100%しっかりした回答が用意できていなくても大丈夫!
広報官との練習でアドバイスをもらい、修正していきましょう。
より詳しい対策方法は以下の記事をご覧ください。
身体検査の対策方法
身体検査は他の採用区分と変わりありません。自衛官採用の身体基準を満たしているかを検査します。
これについてはケガ・病気をしないということが一番の対策になります。
虫歯などがあったら予め治しておきましょう。
まとめ
今回は一般曹候補生採用試験の対策について解説してみました。
まとめると以下の通りです。
- 筆記(一般教養):高卒程度試験なので、高校で学ぶ範囲を学習
- 筆記(作文):過去問を実際に書いてみて添削してもらう
- 口述試験:よくある質問を広報官に教えてもらい、面接練習
- 身体検査:ケガや病気をしない
試験なのでこれをやれば合格間違いないとは言えませんが、少なくとも全く情報が無い状況から手探りで対策を進めるよりかは合格にグッと近づくと思います。
この記事が皆さんが一般曹候補生として採用されるための一助になればと思います。
その他、自衛官採用試験について知りたい方はこちらの記事もご覧ください↓
それではまた次の記事もよろしくおねがいします。
コメント