基本情報技術者試験の次のステップとして受けることになるのが応用情報技術者試験です。
下位試験と異なり求められる知識量は多く、また午後試験では選択肢から選ぶ問題だけではなく、自分で記述する問題も出てくるため、これまでよりも合格が難しくなってくる試験です。
筆者も3回目くらいの受験でようやく合格することができました。
ではそんな難易度が高くなってくる中でどのように学習を進めていけば良いのでしょうか?
上記の経験を踏まえ、合格までどのような勉強が必要になるのかこの記事で見ていきましょう!
この記事で分かること
- 応用情報技術者試験の対策はどうすれば良いのか
応用情報技術者試験(AP)とは
対象者像:ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/ap.html
応用情報技術者試験はIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が開催している情報処理技術者試験の1つです。
この試験から受けようと思う方はそう多くはないと思いますので、
位置づけとしては基本情報技術者試験に合格した方が次の段階として受験する試験となります。
内容としては基本情報技術者試験の内容をもう少し深掘りしたような感じで、
本試験でも特定の分野の専門性を求められることはありません。
ただし、IPAが定める合格者の水準としては、独力でシステムの設計・開発・運用の実現などが行えることとされており、基本情報技術者で記載のあった「上位者の指導の下で」という文言はありません。
それだけ幅広く多くの知識が要求されるということですね。
試験の構成としては、以下のようになっています。
午前試験
四肢択一の試験です。150分間で80問の問題に答えます。全問必須解答です。
短い問いに4択から1つの答えを選ぶタイプの試験です。
午後試験
応用情報技術者試験から初めて登場するのが「記述式」の試験です。
午後試験はマークシートの選択問題ではなく「○文字以内で答えなさい」といった
実際に文字を書かせる出題形式が出てきます。
(全ての問題がそうではなく、語群の中から選択し記号で答えるような問題もあります)
11問が出題されうち5問を解答します。
このうち問1の情報セキュリティについての問題は必須回答となっています。
基本情報技術者試験ではプログラミングの問題を避けて通れませんでしたが、
本試験では選択問題の中に入っており、苦手であれば回避することが可能です。
また、本試験から通年行われている形式ではなく、
年に2回(春期:4月、秋期:10月)の開催となっており、受験機会が限られてきます。
それ以外にも、コンピュータを使用して受験するCBT方式ではなく、
紙と鉛筆を使ういわゆる筆記試験になるなど、下位試験とは様々なところで差異がありますので注意が必要です。
2020年までは基本情報技術者試験もペーパーテストの形式でした。
対策方法
それでは上記を踏まえてどのように学習を進めればいいか見ていきましょう。
午前試験
参考書を読む
まずは一度参考書を最初から最後まで読み通すことをお勧めします。
全体にうっすらとでも触れることで、この後の学習で頭に知識を蓄えやすくなります。
基本情報技術者試験を受験した方は重複している内容もありますが、
復習と思ってさらっと読んでみましょう。意外な抜け穴があるかもしれませんよ?
参考書も様々出版されていますが、おすすめは『キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者』のように図やイラストで丁寧にやさしく解説されている読み進めやすい書籍です。
筆者もキタミ式イラストIT塾 応用情報技術者を使って学習を進めていました。
実際に書店で手に取ってもらうと分かりますが、厚さが4cmほどもあり、普段本を読まない方からするとそれだけで嫌悪感を抱いてしまうかもしれません。もう辞書ですもんねこの厚さ。
だからこそ読みやすい本で学習を進めるのが良いと思います。
分からない用語が出てきてもとりあえず「ほ~ん、そんな感じなのね」って感じでスルーしてOKです。後で調べたり、過去問を解いていくと解説を読んだりしてクリアになるはずです。とりあえず最後まで読んで、薄ーくでもいいので知識の下地を作っていきましょう。
以降、参考書は2周目を読んでももちろんいいですが、
「あれどういう意味だっけ?」となったときに見返す本として活用すると良いと思います。
過去問を解く
うっすら内容を知ったところで、ここからは過去問を解いていきます。
実際の試験はマークシート方式のペーパーテストですが、
ここではPCやスマホを用いて効率的に学習を進めていきましょう。
情報処理技術者試験の過去問演習といえば過去問道場!
応用情報技術者試験に限らず、上位・下位の試験の過去問も用意されていますので、私もずっとお世話になっています。
かなりの問題数が収録されていますが、過去5年分くらいを選択して反復練習するとよいと思います。
というのも情報処理技術者試験では過去問に似た問題やそっくりそのまま過去問が流用されて出題されることが多いからです。
合格を目指すなら過去問1回分で7~8割程度の正解率を目標にしましょう。
過去問道場は問題と答えだけではなく、解説もしっかり記載されていますので、間違えた問題に限らず正解した問題もしっかりと解説を読み込みましょう。
分からなかったところは参考書を辞書のように活用して確認しましょう。
「この問題の答えはこれ」といった覚え方ではなく、内容をしっかりと理解することが合格への近道となります。
特に応用情報技術者試験を含む上位の試験は午後試験において選択肢から選ぶ問題が少なくなるため、
自分なりに頭の中で整理・理解して覚えておく必要があります。
午後試験
午前試験対策で知識を入れたうえで対策に入ることをお勧めします。
午後試験では午前で求められた知識をもとに、事例となる長文を読んで設問に答える方式となります。
答え方(記述の仕方)にもコツがありますので、その辺りを詳しく解説している書籍が出版されています。
筆者は『応用情報技術者 午後問題の重点対策』を使って学習をしていました。
午後試験は11問が出題されてうち5問を解答することになります。
問1の情報セキュリティの問題は必須回答なので、実質4問が選択ということになります。
10問中4問を選ぶということは得意分野をいくつかつくっておけば苦手な分野を回避できるということです。
まずは各分野の問題にチャレンジしてみて、これは受け付けないな…というものを除外し、
得意なものとそこまで苦じゃないものを抽出してみましょう。
次に抽出した分野を反復練習します。
この本は解説が非常に詳しく書かれていますので、答え合わせと共にしっかり読み込みましょう。
正解数の増加を目指すと言うよりも、どちらかと言えば正確な回答の方法を学ぶ練習だと思って下さい。
正確な回答を導き出せるようになれば、自ずと正解数が増加してくると思います。
ボリュームのある本ではありますが、もし十分に対策ができて仕上げに他の練習問題に挑戦したいという方がいれば、午前対策にも出てきた過去問道場が良いでしょう。
ありがたいことに午後問題専門の過去問道場が用意されています。↓
ページにも記載されていますが、問題ごとに印刷することも可能なので、
実際の試験に近い形で問題演習を行うこともできます。
まとめ
今回は応用情報技術者試験の対策方法について解説してきました。
まとめると以下の通りとなります。
- まずは読みやすい参考書を読んで一通りの知識をインプット
- 次に午前試験対策として過去問を解きながら知識を補強していく
- 知識がついて来たら午後試験の対策も並行して行う
- 午後試験の解答の仕方はコツがあるので、演習を通じて身に付けよう
実はこの方法は応用情報技術者試験に限らず、この後に続く情報処理技術者試験の学習でも大いに役に立ちます。
この記事が応用情報技術者試験を受けようとしている皆さんの一助になれば幸いです。
また、他の情報処理技術者試験も気になるよ!という方は以下の記事からご覧ください。
それでは次回の記事もよろしくお願いします。
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