近年、業務のデジタル化に伴って、社員のITリテラシー向上に努めようとする企業が多く見られます。
そこで、企業が社員に対してIT系の資格取得を推奨したり義務付けたりする事例があります。
「情報処理技術者試験の取得を促された」
「IT系の資格を取らなければいけなくなった」
「ITリテラシーを高めていきたい」
といった皆さんにIPAが主催する情報処理技術者試験シリーズをお勧めします。
私自身もIT企業に就職する前に、面接でのアピール材料としてITパスポートの取得を転職エージェントから勧められ、受験をして合格しました。
情報処理技術者試験にはどのような種類があるのか、
あなたに適した資格はどれなのか、この記事で見ていきましょう!
情報処理技術者試験の種類
IPAが行っている情報処理技術者試験は以下の13個です。
- ITパスポート試験(IP)
- 情報セキュリティマネジメント試験(SG)
- 基本情報技術者試験(FE)
- 応用情報技術者試験(AP)
- ITストラテジスト試験(ST)
- システムアーキテクト試験(SA)
- プロジェクトマネージャ試験(PM)
- ネットワークスペシャリスト試験(NW)
- データベーススペシャリスト試験(DB)
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
- ITサービスマネージャ試験(SM)
- システム監査技術者試験(AU)
- 情報処理安全確保支援士試験(SC)
ITパスポート試験(IP)
ITパスポート試験は全ての社会人向けにITの知識を問う試験です。
IPAのホームページにも記載されている通り、ITエンジニア向けと言うよりかは、ITを利用・活用する人向けの内容となっています。
とはいえ就活や転職活動では基礎的なIT知識を持っていることを証明できるため、取得する価値の無い試験という訳ではありません。
IPAでは試験のレベルを1~4で分けており、このITパスポートはレベル1となります。
最低レベルではありますが、テクノロジーに関する問題だけではなく、
経営や法律などマネジメントに関する問題も出題されるため、勉強せずに合格することは難しいと思います。
ITパスポートの対策方法はこちらの記事を参考にしてみてください↓
情報セキュリティマネジメント試験(SG)
情報セキュリティマネジメント試験は、レベル2の試験となります。
ITパスポートと同じく、ITエンジニア向けと言うよりかは、ITを利用・活用する人向けの内容となっています。
体感としてはITパスポートより少し難しくなったような試験で、セキュリティに重点を置いた内容となっています。
近年、大小を問わず企業ではIDカードの紛失や社給PCの紛失といったセキュリティ事故を防ごうと、セキュリティ教育に力を入れています。
本試験を取得することによってセキュリティに敏感な人材であることをアピールすることが出来ます。
ITパスポートより多少難易度が上がっていることもあり、無勉強で試験に臨むと痛い目を見ることは明らかです。
情報セキュリティマネジメント試験の対策方法はこちらの記事を参考にしてみてください↓
基本情報技術者試験(FE)
基本情報技術者試験は、レベル2の試験となります。
この試験からITエンジニア向けの試験内容となってきます。
レベル2とはなっていますが、同レベルとされている情報セキュリティマネジメント試験と比べて求められる知識量が体感として明らかに多いです。
参考書はページ数にして約650ページ、厚さにして約3cmにもなります。
ITエンジニアとして知っておきたい基礎的な知識が問われますが、
基礎にしては覚えること多くないか?と思うようになるのもこの辺りです。
内容としてはこの後に続く専門試験を広く浅く網羅しているような感じで、
コンピュータの仕組みからネットワークやデータベース、プログラムの作り方に法律や経営とお金の話
などなど学習を通じて様々な知識を身に付けることが出来ます。
基本情報技術者試験の対策方法はこちらの記事を参考にしてみてください↓
応用情報技術者試験(AP)
応用情報技術者試験は、レベル3の試験となります。
基本情報技術者試験まではPCを使用したCBT方式で受験するかたちとなっていますが、
この応用情報技術者試験からは紙の問題用紙と解答用紙を使用したいわゆるペーパーテストになります。
また、レベル2試験までは年間を通じて随時実施されていますが、
これ以降は春期・秋期の2回、ものによっては年に1回どちらかのみ開催されるものになります。
試験内容は基本情報技術者から少しだけレベルアップした内容ではありますが、
なんと言っても多肢択一試験のみではなく、記述式試験が午後試験で待ち受けていることが特徴です。
つまり曖昧な覚え方をしていると得点に結びつけられないのです。
参考書はページ数にして約850ページ、厚さにして約4cmにもなります。
ここまでくると軽く辞書のようなものです。
応用情報技術者試験以降は午後試験が記述式となるため、よりしっかりと知識を頭に入れる必要があります。
応用情報技術者試験の対策方法はこちらの記事を参考にしてみてください↓
ITストラテジスト試験(ST)
対象者像:高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/st.html
これ以降は全てレベル4の専門試験となり、レベル3までと異なり狭く深い知識が要求されます。
ITストラテジスト試験はその名の通り、企業の経営にかかわるIT戦略のスキルを認定する資格です。
この試験は記述試験に加えて論述試験も課されており、非常に高いレベルを要求されます。
情報処理技術者試験の中でも最難関試験の1つとされているようで、例年の合格率は15%ほどとなっています。
試験勉強だけでは太刀打ちできず、実務経験で得た知見なども必要になってくるようです。
そのため受験者の年齢も比較的高い層が多いです。
システムアーキテクト試験(SA)
対象者像:高度IT人材として確立した専門分野をもち、ITストラテジストによる提案を受けて、情報システムを利用したシステムの開発に必要となる要件を定義し、それを実現するためのアーキテクチャを設計し、開発を主導する者
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sa.html
アーキテクチャとは、論理的な構造のこと。
システムアーキテクチャはシステムの構造や設計のことを指します。
構造内で各要素がどういう関係性で存在しているのかなどを論理的に判断できる人材として認めますよ、というのがこの試験です。
ITストラテジスト試験と同じく、午後に論述試験があり、難易度の高い試験です。
プロジェクトマネージャ試験(PM)
対象者像:高度IT人材として確立した専門分野をもち、組織の戦略の実現に寄与することを目的とするシステム開発プロジェクトにおいて、プロジェクトの目的の実現に向けて責任をもってプロジェクトマネジメント業務を単独で又はチームの一員として担う者
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/pm.html
すでにシステムエンジニアとして社会人経験のある方には分かりやすいと思いますが、
システムの開発や運用保守はプロジェクトという単位で進められるものが多いです。
「こんなシステムを作って運用したい」となったときに各分野に精通したSEたちがわらわらと集まってきてその同じ目標に向かって仕事をするのがプロジェクトです。
プロジェクトマネージャ試験はそんなプロジェクトのまとめ役・管理者としての能力があるということを証明する資格となります。
本試験でも論述試験が課されており、実務経験をもとに記述することが要求されるとのことですが、
実務経験者でも合格するのは非常に難しいとのことで、毎回の合格率は15%未満となっています。
ネットワークスペシャリスト試験(NW)
対象者像:高度IT人材として確立した専門分野をもち、ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/nw.html
名前から分かりやすいですが、ネットワークの専門家であることを証明できる資格です。
略して「ネスぺ」とも言われます。
IPAのページによれば、ネットワークエンジニアに限らず、インフラエンジニアにも推奨されている試験のようです。
これまでの高度試験と異なり、論述試験は無く、午後Ⅰ試験・午後Ⅱ試験ともに記述式試験です。
とはいえ高度試験であることに変わりはないので、難易度は非常に高く、1回の受験で合格できることは稀なんだそうです。
データベーススペシャリスト試験(DB)
対象者像:高度IT人材として確立した専門分野をもち、データベースに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/db.html
データベースとは、ルールに則って管理されたデータの集合体のことで、
イメージとしては図書館の本棚のようなものです。
この本棚はここに置いて、この系統の書物をまとめて・・・など効率的に目的の本を探せるようにしたり、収蔵されているデータを利用しやすいよう設計するようなことをコンピュータのデータベースでも行います。
そんなデータベースの専門家ですよということが証明できるのがこの資格となります。
ネットワークスペシャリスト試験と同様に論述試験は無く、午後Ⅰ試験・午後Ⅱ試験ともに記述式試験です。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
対象者像:高度IT人材として確立した専門分野をもち、IoTを含む組込みシステムの開発に関係する広い知識や技能を活用して、市場動向・関連業界の動向を踏まえて最適な組込みシステムの事業戦略や製品戦略を策定し、ハードウェアとソフトウェアの要求仕様の策定、及び要求仕様に基づいた組込みシステムの設計・構築・製造を主導的に行う者
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/es.html
エンベデッドという聞きなれない言葉ですが、直訳すると「組み込み」となります。
なのでエンベデッドシステムは「組込みシステム」となります。
じゃあ組込みシステムとはなんぞやということですが、
皆さんの身近な家電などに組み込まれているシステムのことです。
例えば洗濯機のおまかせボタンを押すと洗いから脱水まで一通りの動きをしてくれると思います。
この一通りの動きを制御しているのが組込みシステムです。
小さなコンピュータが家電の中に組み込まれているんですね。
そんな組込みシステムの開発や設計、製造を行える能力を有していますよと証明できるのがこの資格となります。
耳馴染みのない名前ではありますがその中身は一番人々に身近なシステムに関する試験となります。
とはいえもちろん作り出す側の人を対象にしている試験ですので、利用者側の人が受けて合格できるようなものではなく、実務経験者でも合格が難しいとされているようです。
午後試験には論述試験が課されており、これが難しさをより一層際立たせる要因になっています。
ITサービスマネージャ試験(SM)
対象者像:高度IT人材として確立した専門分野をもち、サービスの要求事項を満たし、サービスの計画立案、設計、移行、提供及び改善のための組織の活動及び資源を、指揮し、管理する者
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sm.html
プロジェクトマネージャ試験と同様、管理者を対象とした試験です。
プロジェクトマネージャは主にシステム開発プロジェクト内の管理を担うものであり、
ITサービスマネージャはシステムの運用に関わる管理を担当するといった点に違いがあります。
実際の運用に携わる職のため、試験で要求される内容としては技術的な面の他に経営に関する知識も含まれてくるようです。
本試験も午後試験で論述試験が課されますが、Wikipediaによれば、数ある論述試験が課される試験の中での登竜門的な存在だということです。
システム監査技術者試験(AU)
高度IT人材として確立した専門分野をもち、高い倫理観の下、監査対象から独立かつ客観的な立場で、情報システムや組込みシステムを総合的に検証・評価して、監査報告の利用者に情報システムのガバナンス、マネジメント、コントロールの適切性などに対する保証を与える、又は改善のための助言を行う者
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/au.html
監査というのは会社の透明性や安全性などを見るために必要不可欠なものです。
これは情報処理分野でも例外ではなく、システム監査というものが存在します。
このシステム監査を行う人をシステム監査人と言い、このシステム監査人の能力を証明できるのがこの資格となります。
情報処理技術者試験のなかでも最難関の一角とされており、合格者数は10%台となっています。
こちらも午後に論述試験が課されています。
情報処理安全確保支援士試験(SC)
サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用して企業や組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し、また、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い、その結果に基づき必要な指導・助言を行う者
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sc.html
先に紹介したレベル2の情報セキュリティマネジメント試験の上位存在と考えると分かりやすいかと思います。
情報セキュリティマネジメント試験はシステムを利用する人向けにこういったことに気を付けましょうという内容であったのに対し、
こちらは利用者の他に一般の情報処理技術者に対して指導や助言を行うことが想定されているセキュリティの専門家としての資格です。
他の高度試験と異なり、合格後に申請を出すことで国家資格である情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)となることができます。
まとめ
情報処理技術者試験は難易度も種類も多岐に渡っており、
ITエンジニアからエンジニア以外の社会人まで、全ての社会人におすすめできる資格となります。
資格によっては他の資格試験での一部科目が免除されたり、
一定の職業での任用資格となっていたりします。
気になった資格がありましたら、資格別に解説している記事を書いていきますので、
そちらも参考にしていただけたら幸いです。
それでは次の記事もよろしくお願いします。

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