自衛隊の採用試験では、主に2次試験で口述試験(面接)が行われます。
民間企業を受ける際にも面接は避けては通れませんが、それは自衛隊でも同じ。
しかし、自衛隊の口述試験では民間企業の面接とは勝手が違う点がいくつかあります。
この記事では自衛官採用試験での口述試験における注意点を踏まえた対策方法を解説していきます。
幹部候補生から技術海曹まで4回の受験をして合格をいただいた筆者の経験をもとに、口述試験で共通して認識しておく必要がある点を挙げますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事で分かること
自衛官採用試験での口述試験はどうやって対策したらいいのか
口述試験とは
口述試験とは、要は面接のことです。
面接官3人程度に対して受験者が1人の個別面接方式で行われます。集団面接やグループディスカッションのようなものはありません。
時間は受験者1人当たり10分~20分程度。
面接官は内容を見ているようなので時間の長短は合否にはあまり関係無さそうです。
実際、10分もかかっていないんじゃないかという時も、20分程度フルで時間を使った時もどちらも合格をいただきました。
これは個人的な感想になりますが、入室~退室にかけての動作・態度や、質問に対して的確な受け答えが出来ているかどうか、自衛隊に入隊する意志の強さの度合い、受験者の考え方などを見られているように感じました。
口述試験の対策方法
入退室の要領、動作・服装容儀(見た目)
服装容儀(見た目)について
これは民間企業での面接でもそうですが、人は見た目が9割などと言われているように、第一印象で良い印象を面接官に持ってもらうために身なりを整えて試験に臨むことは重要です。以下に例を挙げますので面接前にチェックするようにしましょう。
- 洗濯・アイロンのかかった服装を着用する
- 靴を磨いておく
- ネクタイはしっかり締める、曲がりが無いか確認する
- 髪型を整えておく
- 髭は剃っておく
- 爪を切っておく
などなど基本的なことを押さえておけばOKです。
入退室の要領、動作について
詳しい入退室要領の流れについては地方協力本部での面接練習などで教わることと思います。ですので、ここではどのシチュエーションでも必要になることについて解説します。
動作は節度ある動作が良しとされます。そのため、キビキビと動くようにしましょう。
ただし限度はありますので、ロボットのようにならないよう注意してください。
受け答えをする際は大きな声で明るくハキハキと答えると良いです。これも限度はありますが、面接を行う部屋の大きさに応じた声で話すとGOOD!
例外として、入室の際の「失礼します!」はお腹から出せる限りの声で言うと個人的には良かったと思います。入室後の発声で大きめの声が自然に出やすくなりました。面接官にも「自衛官らしい」という印象を持たせることが出来るかもしれません。
(実際、部内(現役の自衛官)で受験している方が面接部屋に入室するときは目一杯の声を出していました。)
入室後はキョロキョロしたり、手を細かく動かしたりそわそわしないように意識しましょう。
特に幹部候補生など人の上に立つことを望まれている採用区分では御法度です。指揮官が動揺してしまえば部下の士気に影響してしまうため、相応しくないと評価されてしまう可能性が高いです。
面接官の前に用意されている椅子に座る時は浅めに座り、背筋を伸ばしたまま、基本は「主任面接官」を注視するようにしましょう。各面接官から質問が振られますので、その際は質問者を注視するようにします。体を向ける必要はありません。
発表方法
民間企業の面接では、例えば長所や短所を述べる場合、特段断りが無い場合は短所を述べた後に続けて具体的なエピソードや改善点なども述べるかと思います。
しかし、自衛官採用試験の口述試験では受験者が長く回答することよりも会話のキャッチボールがより重視されているように思います。
先ほどの例をもとに解説すると以下のように回答するのが望ましいと思われるのです。
面接官「長所と短所は何ですか?」
受験者「はい、長所は○○、短所は△△です。」
面接官「短所を克服するために何かしていることはありますか?」
受験者「はい、私は△△の克服のため、□□といったことを行っています」
このように適度な長さで回答を切り、面接官との会話を楽しむような意識で試験に臨みましょう。
予想される質問
ここでは実際に口述試験でどのような質問がされるかを見ていきましょう。質問は、序盤・中盤・終盤でだいたい出されるものが決まっています。
私が実際に質問された内容も含みますので、これを参考に回答内容を考えておきましょう。
- 序盤
- 試験会場まではどうやって来ましたか
- 昨晩はよく眠れましたか
- 中盤
- 志望動機(なぜ自衛隊を選んだのか)
- 陸上(海上・航空)自衛隊を選んだ理由
- 仮に不合格ならどういう将来設計をしているか
- 仮に合格したらいつまで勤務したいか
- 他に併願はあるか
- 併願先で内定を貰った場合、自衛隊とどちらを優先するか
- 入隊後の抱負
- 勤務地に制限はあるか
- 資格・免許・趣味・スポーツについて
- 大学での学習テーマは何か、当時話題になっていたことは何か
- これまでで何かこれは大変だったということは
- 前職を辞めた後は何をしていたか
- (以前に他の採用区分をい受験していた場合)○○(例:幹部候補生)は再受験しないのか
- 長所と短所
- 自衛隊を受験することに対する家族の反応は
- 終盤
- 最後に何か質問はありますか?
最後に振られることがある「質問があるか」というところは絶好の自己アピールタイムになるので、質問が無くても「絶対に入隊したい!」という意志をしっかりと伝えましょう。
なんだかんだ最後は熱意が強いと採用されやすいなとこれまでの経験上思います。
自衛官でも避けては通れない自己PRに不安があるときはミイダスのコンピテンシー診断がおすすめです。
いくつかの質問に答えるだけで、自分では分かりずらい自分の強み・弱みを分かりやすく算出してくれます。
地方協力本部や担当の広報官が行ってくれる面接練習を積極的に活用しよう!
募集人員が多い採用区分では地方協力本部で面接対策のイベントを催してくれることがあります。その際は積極的に利用しましょう。多くの職員の方が面接官役をしてくださるので、それぞれ違った視点でのアドバイスをもらうことができます。
本部でのイベント等が無い場合は担当の広報官に練習をお願いしましょう。広報官自身もも口述試験を経て自衛官になっていることもありますし、広報官として対策のノウハウも持ち合わせているはずです。
まとめ
それでは今回のまとめです
- 服装は端正に
- 動きはキビキビと
- 話し方はハキハキと元気に
- 予想される質問の回答を予め用意しておこう
- 答え方が不自然にならないよう、広報官と面接練習を重ねよう
面接はどうしても不確実性があるので誰でも緊張すると思いますが、しっかりと対策をして臨めば「意外とよくできたな」という気持ちを持って試験会場を後にすることが出来る人が多いと思います。
筆記試験と同じで反復練習が大事です。からだに動きを叩き込むくらいの気持ちで練習しましょう。
その他、筆記試験や小論文・作文について知りたい方はこちらの記事もご覧ください↓
今回の記事が自衛官を目指す皆さんの一助になれば幸いです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。また次回の記事もよろしくお願いします。
コメント